どんな絵を描くかを考えます。
まず、和紙(基底材)を必要な大きさにカットします。
ドーサ液(膠水とミョウバンをまぜたもの、にじみ止め)を
紙の表にむらなく引きます。
一度乾かし、裏面にもひきます。
墨で、下図を丁寧に写します。
正麩のりを鍋で煮ます。 粗熱がとれたら、のりを漉します。
本紙に、裏打ち用の肌裏紙(うす美濃紙など)を
のりできれいに貼り付けます。
作品保護の観点から大事な工程です。
裏打ち後、乾く前に板に張り付けます。
乾燥すると、和紙が縮むため、
紙面がピンときれいに張ります。
胡粉、または白土で下地を塗ります。
筆の伸びが良くなり、紫外線や酸性の劣化から
基底材を守ります。
墨、岩絵具と膠で、着彩していきます。
箔などで装飾します。
木製パネル(鳥の子紙で下張り済み)
に美しく張り替えます。
落款印を押します。
額に入れて・・・完成です!!
大和絵の作風を大事にするとともに、使用する素材や道具は、なるべく職人さんの手作りのものを使います。
ひとりひとりが意識して使うことで、日本の文化を後世に伝える下支えとなります。
作る人、買う人が一連の輪になれば、日本の伝統産業にとって好循環となり、
また新たな後継者を育てていくことにつながるはずです。
和紙(基底材)
日本製の良品を、作品の表現にあわせて選び、使用しています。
裏打ち紙(肌裏紙)も同様です。
絵具
すべて天然岩絵具を使用しております。
(鮮やかな色が必要なときは、新岩絵具・水干絵具も使います)
筆
描写、彩色において、もっとも重要な道具です。
筆職人さんが一本一本作った最高の筆たち、作家の一番大切にしているものです。